心と身体の知識を持つ本物のセラピストを目指す!スクールカウンセラーの重要性ややりがい 小・中学校の義務教育を終え、高等学校へと進学する過程で、子どもは学童期から青年期へと移っていき、心身ともに大人へと急激に変化していきます。アメリカの心理学者スタンレー・ホールは、青年期を疾風怒濤の時代と表現しました。激しい風と荒れ狂う波のような急激な変化に飲まれ、乗り切る際に誰かの助けを必要とする場合もあります。そんな時、スクールカウンセラーは、学校の先生やご家族とも異なる立場から、心の専門家として児童・生徒に関わります。 スクールカウンセラーの仕事は「児童・生徒の痛みや苦しみを含めた『心の在り方』を理解し、寄り添うこと」だと私は考えています。悩みを聞くだけでなく、何気ない会話や学習の様子から児童・生徒の気持ちや価値観や特徴を理解しようと努め、言葉や態度でメッセージを伝えます。自身の在り方を誰かに分かってもらえたという体験、否定せずに受け止めてもらえたという体験が心の栄養となり、考えや行動の変化につながったり、一歩踏み出す為の言動力になったりします。 もう一つの大切な仕事は、理解した児童・生徒の『心の在り方』を必要に応じて学校の先生やご家族へ伝えることです。1週間や1ヶ月のうち、児童・生徒がスクールカウンセラーと関わる時間はごくわずかで、それ以外の時間は学校や家庭で過ごすからです。児童・生徒にとって、どのような関わり方や学習の進め方が良いのか、学校の先生やご家族と一緒に考え、専門的な立場から助言することが求められます。 スクールカウンセラーには、狭間に立っているからこそ見えもの、できることがあります。第三者として存在することが重要性であり、やりがいであると言えるのではないでしょうか。本学で心理学を学びながら、『心の在り方』について、ぜひ一緒に考えましょう!助教 山倉 辰裕Niigata University of Rehabilitation | 24(心理学専攻(専門家)の教員が支援を行っている)心理学専攻の教員がセンター長として学習センター[ここつえ]を運営しています。[ここつえ]は、学生の皆様が安心できる居場所であり、学習面、心理面、生活面を全力でサポートします。また、人と人とをつなげるサポートも行っていますので、[ここつえ]を利用することで、充実した大学生活になることでしょう。公認心理師を目指す学生は県内大学で唯一、新潟県警察本部で実習を行うことができ、犯罪被害者が抱える様々な問題やその方々への支援方法を学ぶことができます。加えて、少年課の少年サポートセンターや民間団体であるにいがた被害者支援センターでの支援についても学ぶことができ、貴重な経験になること間違いなしです。公認心理師を目指す学生は、新潟リハビリテーションクリニックで実習を行います。学部では、精神科医による診療やスタッフによる心理面接・心理検査を見学することができ、大学院生になると実際に患者様(クライエント)を担当し、心理面接や心理検査を実施していくことになります。臨床の基礎をクリニックでしっかり身につけていきます。医療現場において公認心理師が携わる領域は精神科や心療内科のみならず、内科領域において、肥満症患者さんの行動変容を支援する現場に携わります。肥満症の患者さんは、食生活の習慣を変えたり、運動習慣を身に付けたり、これまでの生活上の行動を変えることが必要となるため、これまで培ってきた習慣を変えることは大仕事で多大なストレスも負荷します。そのような患者さんに対する支援も心理師の重要な役割です。心理学の学びは心理の専門職のみならず、企業に就職した場合にも役に立ちます。たとえば、営業職や販売職に従事した時、顧客の要望を的確に聴き取り、不快感を与えることなく相手の満足度を高めるためのコミュニケーション術を心理学の学びの中で習得できます。カウンセリング等の授業において、患者さんの訴えを傾聴する技術を実践的に学びますが、それは対患者さんのみならず、通常のコミュニケーション場面においても大いに役に立つものです。心理学専攻のカリキュラムの中には心理学統計法や心理学実験の授業が含まれます。これらの授業では、自分たちでさまざまな心理現象に関するデータを収集、分析し、その結果をレポートにまとめるという作業を繰り返します。データの収集、分析にかかわる知識は、企業に就職した際に、たとえばマーケティング調査を行う部門の業務の土台ともなります。客観的データから顧客の消費者行動を検証する場合など、心理学における学びが武器となります。心理学を専攻した後に、介護や福祉の現場での就職を目指す学生もおります。そのような現場では生活相談員として、施設の利用者さんが安心して介護サービスを利用するために、相談対応や関係各所への連絡・調整などを行います。利用者さんやご家族の不安を傾聴し、それを施設側に伝える橋渡しの役割を担いますが、その際にも心理学で学ぶ「傾聴」の技術が役に立ちます。利用者さんやご家族の不安を解消し、スムーズに施設利用をしていただく上で相談員の役割は重要といえます。r's Teache Voice 1.犯罪被害者支援研修2.ここつえでの支援3.クリニックでの心理カウンセリング心理の専門職一般企業と心理学(1)一般企業と心理学(2)生活相談員と心理学
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