学校法人北都健勝学園
25/66

自分が好きなこと・趣味を活かせて人のためになる仕事です! 学校法人北都健勝学園では既に、海外の医療教育機関と連携協定を結び、大学院修士課程において、中国からの留学生を迎え入れており、彼らは本学大学院において、リハビリテーション医療についての学びを深めて、本学を巣立っています。また、2023年度4月、本学の学部教育である作業療法学専攻においても、作業療法士を志す若者を外国より初めて迎え入れました。本作業療法学専攻が留学生を迎え入れることには3つの側面があり、第一には本学の日本人学生の学びに対する影響、第二は留学生自身の学びについて、第三として学びの環境の変化があげられます。第一の点については、留学生との交流を通して、日本人学生が他の国の文化、習俗に触れ、自らの文化を改めて理解し国際理解を深めることが可能となり、そして国際的視点に立って物事を考え、伝える力を養う機会とすることができます。第二の点について、留学生自身が日本の文化に触れ、自分自身の見識を広げ、成長することに役立っており、自国の医療体制と日本の医療体制の違いを学び、本専攻の充実した臨床実習教育を通して、リハビリテーション医療の実践についての理解を深めることができます。第三の点について、学びの環境に留学生が加わることは、学内に多様性を取り入れることに他なりません。作業療法の学習の場である作業療法学専攻内に留学生を迎え入れることは、学びの場の力動を大きく変えることとなり、それは新たな学びの機会を創出することに繋がります。このように留学生を迎え入れることの学びへの効果は大きなものがあります。 留学生の生活については、大学内の関連部署と連携を図りながら、留学生が安心して生活を送れるように支援し、学習環境の整備に努めています。専攻長 長谷川 裕中国人留学生を迎え入れてNiigata University of Rehabilitation | 22認知症サポーター養成講座は、地域住民の方に認知症について理解していただき、認知症の当事者や家族の方のサポーターを養成する意義があります。そのため、多くの認知症サポーターを養成することを厚生労働省が推し進めています。新潟リハビリテーション大学では、作業療法学専攻の教員が中心となり本学の学生が参加して、村上市の全地域の市民の方に参加していただいて実施しています。作業療法士は、骨折や麻痺などの身体障害により、日常生活動作が行えなくなった時に、リハビリテーション(作業療法)を行います。作業療法の手技の一つに自助具を使用する方法があります。例えば、主婦にとって調理することは、家庭内の役割として生き甲斐になっていることがあります。片麻痺の障害により、リンゴを切るやむく動作ができなくなった場合に、片手動作で行えるように、リンゴを固定する自助具を使用します。既製品の自助具が、その人の障害に合わない場合には、作業療法士が手作りします。思わぬ事故により、手の力が弱くなってしまうことや関節が硬くなってしまうことがあります。そのことによって、自身の意思で自由に手を動かすことが困難になる場合があります。手のリハビリテーションでは、作業療法士が医師と協働し、手術後のリハビリテーションを担当します。関節の硬さを取り筋力を強化することや、装具を用いた日常生活場面の練習、職場復帰に向けた支援を通して、その人に合わせた役割の再獲得を目指します。日常生活をより簡便に過ごすことができるよう、世の中には様々な道具があります。近年では3Dプリンターの普及に伴い、これまで世になかった道具がたくさん生まれています。生活に困っている方を対象に、作業療法士はその場面を分析します。困難さが生じている原因を医学的知見から分析し、解消するために3Dプリンターを用いて新たな道具を開発・提供します。そのことによって、困難であった動作が容易に解消することに繋がります。作業療法士の専門領域の一つに、発達障害をもつ子どもの支援があります。発達障害領域は、病院、クリニック、療育センター、特別支援学校、学童保育、放課後等デイサービスなど、多岐にわたります。作業療法士は発達障害のある子どもに対して、日常生活動作、遊び、学習、社会生活技能、対人交流技能などの発達を促します。例えば、子どもが興味を引く様々な遊具を使って「感覚統合療法」を行い、運動機能や知覚認知機能の促進を図ります。ひとがその人らしい生活を送っていくためには、身体機能とともに精神機能の働きが必要とされます。精神障害をもつことにより低下した精神機能の回復に、作業活動が治療、指導、支援の手段として用いられます。例えば皮革細工で作品を作る過程のなかにも、知覚機能、思考機能、高次認知機能のような、ひとの精神機能が用いられます。作業療法士は、対象者の目標に合った作業活動を提供して、精神機能のリハビリテーションを支援しています。高齢者は、楽しみとなる趣味や役割を持って、生き甲斐を感じながら、いつまでも家族と一緒に生活できることが、幸せに繋がります。作業療法士は、高齢者が、体力低下や身体的な障害があっても、生き甲斐を感じながら生活できるように、支援します。例えば、畑仕事は重労働ですが、いつまでも畑仕事を続けたいと願う高齢者は多いです。そのような高齢者には、農作業の負担を軽減するアシストスーツ着用を検討することも、作業療法士としての支援方法となります。r's Teache Voice 認知症サポーター養成講座調理動作リハビリと作業療法士手のリハビリと作業療法士3Dプリンター活用と作業療法士発達障害リハビリと作業療法士作業活動の精神障害リハビリテーションへの活用高齢者支援と作業療法士

元のページ  ../index.html#25

このブックを見る