副学長 髙橋 明美Niigata University of Rehabilitation | 18リハビリテーション医療学への思い私が1年生を対象にした授業で最初に見てもらう絵があります。18世紀王朝のエジブトの柱像で、1人の明らかに片足が不自由な男性が、長い棒を杖代わりに持ち立っていて、傍らには医療人と思われる女性がいます。リハビリテーションという概念などない時代です。しかし、先人たちはこうした行為を経験として行なっていました。この絵の根底にある、この人が困っていることは何か、どのようにしたら解決できるかという想いがあるからこそこうした発想が生まれたと考えます。近年、リハビリテーション医療の分野にも AI(人工知能)技術などが導入されています。幾ら技術が進歩しても、先人たちのように相手を想う心は変わりません。人の痛みがわかる医療人の育成を目指していきます。 私は唯一無二の存在私はどんな医療人になれるのだろう?悩み、傷つき、真摯に自分と向き合って生きる。国籍・性別・年齢…あらゆる差別の無い医療を目指して2007年4月、本学は大学院から誕生しました。『人の心の杖であれ』チャップリンの杖から導かれた本学の精神は、時に笑い、時に泣き、不器用なほど愚直に教育と向き合っています。その人に合った杖を見つける事の難しさ、それを体現する教育課程とはどうあるべきか。それが、この『特色ある教育課程』に反映されています。自分に合った職業や研究はどんなものか、入学したばかりではわからないはずです。本学が少人数にこだわる理由のひとつが、唯一無二の『あなた』と寄り添える学びを実現すること。合わないと諦めるその前に、様々な道を模索できるように教育課程も特色あるものになっています。ぜひ共に、『あなた』にぴったりの『杖』を探す旅に出ましょう!
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