Teache 's Voice■アルツハイマー病の分類における心理検査の問題点■変性疾患の認知症における幻視と立方体模写に関する研究 ■FAQ・髄液・FDG-PETを用いたアルツハイマーの病の分類■ティンカートイの基準化への一試行■ティンカートイ検査と小児発達段階の関連について■伝導失語にみられる音韻性錯語と繰り返しの音韻論的分析■音と注意機能に関する研究■高齢者の自己受容感覚と認知機能の関連■子どもの言葉の意味段階の調査~抽象図形の命名思考を探る~■ベントン視覚記銘検査を用いた、認知と空間・形態視知覚の関連調査■言語発達における陳述プロソディの知覚と身体リズム運動の効果について■全体構造法IBAYASHI KATSUHIKO脳の不思議に対する挑戦脳血管障害や脳外傷などに伴う高次脳機能障害について独創性のある研究を行います。上記障害はいずれも日常生活において影響を及ぼす疾患で、治療法や訓練法の発見が待たれるところです。本コースではそうした観点に基づき、新しい知見を導き出すことが大きな目的の一つです。例えば、高次脳機能障害の中で最も一般的な記憶に関し、時間軸で長期記憶を近時記憶と遠隔記憶に分類していますが、やや抽象的な表現であり、特に近時記憶ではその幅を1~3分、2~3日、2~3週間とも言われる一方、他の研究者では瞬時記憶が含まれる短期記憶と同一とし、教科書によってその間隔が異なっています。これらのより明確な時空間を研究により明らかにすることは、研究の上で一つの大きな課題です。また、近年注目されつつあるVR(仮想現実)を用い、失語症や観念運動失行などで観られる自動性と意図性の乖離を減少させ、日常の生活がより豊かになることを本コース全体の課題として目指します。さらにTMS(経頭蓋磁気刺激)により、読字や復唱などを通し左右大脳半球における大脳皮質の神経心理学的機能についても希望者による独自の研究を進める予定です。これまで紹介した研究以外にも、本コースでは様々な高次脳機能に関する挑戦的な研究を期待します。教授 伊林 克彦1.病院・老人保健施設・障害児福祉施設・特別養護老人ホーム・重症心身障害児施設・在宅等の臨床現場において、適切な評価やリハビリテーションを行い、さらに心理的サポートも充分考慮できる、より高度な医療従事者。2.機能改善のためのアプローチ方法や、ACC(代替コミュニケーション)など良好な人間関係の修復などに関する開発及び教育等に携わる教育・研究者。主として高次脳機能障害(認知症や失語症)の患者に対して、脳血管障害やその他の疾患により、記憶・注意・遂行機能障害など、いわゆる高次脳機能障害に苦しむ人たちやその家族が年々増加し、社会問題となっています。本コースでは、これら疾患の病態の解明や、その評価・治療法を研究することを目的としています。ひとつの研究が人々の生活を大きく変える可能性を秘めています。養成する人材像主な研究テーマ(村上修了生)主な研究テーマ(サテライト修了生)東京サテライトキャンパスあり09 | Niigata University of Rehabilitationr高次脳機能障害コース人々の暮らしを変える可能性を追求する。03
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